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2005/09/28

光触媒でがん細胞の増殖抑制

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札幌で開催した日本癌学会で、TOTOが体の外から紫外線を当ててがん細胞の増殖を抑えることのできる光触媒を開発したことを発表した。今後は、大手医薬品会社と実用化に向けて、共同研究を進めていく。

光触媒とは、金属チタンと酸素の化合物、酸化チタンのこと。太陽や蛍光灯などの光から出る紫外線と、空気中の水が反応することに長期間にわたって活性酸素を生成する。この活性酸素が空気中の有機物・細菌などの有害物質を分解無害化し、防臭・殺菌・抗菌・防汚・有害物質の除去などの効果が得られる。光触媒は酸 化チタンと紫外線によって化学反応を促進させ、効果を発揮する。酸化チタンは土壌中にも広く分布する物質で、すでに化粧品や食品添加物などに使用されてい る人体やペットには無害な物質。

研究は、0.05%濃度の光触媒水溶液100μLを、腫瘍を移植したマウスに2回にわたり注射し、人体に影響がないとされる約380ナノmの紫外線を照射。3週間後には注射をしなかったマウスに比べて、腫瘍の成長が4分の1に抑えられていた。

TOTOは、がん細胞に入り込みやすい直径約50ナノmの光触媒微粒子で、直径約5ナノmの酸化チタンを高分子でコーティングして、均一な大きさに仕上げた。この大きさは、効率よくがん細胞に取り込まれ、正常な細胞は傷付けにくい。また、水溶液中でも固まらない。

光触媒を生理食塩水に溶かして静脈注射し、患部に紫外線を照射すると、がん細胞に付いた光触媒が活性酸素を出して、細胞膜の分子結合を切断、活性酸素は細胞内にも入り込んで内部を分解するため、がん細胞が死ぬしくみだ。
しかし、ヒトに対する安全性の確認、臨床試験はこれからで実用化はまだ先となりそうだ。

新しいがん治療として、期待したい。また、光触媒の研究がすすめば、がん以外の病気にも効果が発揮できるのではないだろうか。

(メディカルインフォマティクス(株)看護師:宮澤)
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